知っておきたい!介護のいろは

介護のコツ その③ ~高齢者が生活する部屋づくり(環境を整える)~

介護している高齢者が少しでも気持ちよく過ごせるように、部屋の環境を整えてあげましょう。これは、高齢者の健康維持のため必要なことですが、介護する人にとっても快適に作業できるようになります。

介護する人にとって快適な空間作り
介護する人にとっても便利な空間作り

寝室
多くの場合、高齢者がそれまで生活していた部屋を介護部屋として、必要に応じて介護ベッドなどをしつらえると思います。
しかし、もしもその部屋が居間や台所などの家事をする場所からとても離れていたり、トイレや風呂場が遠かったりするときは、思いきって場所を変えてもいいかもしれません。 世話する高齢者の寝室を居間や台所の近くにすれば、介護する人にとって部屋との往来が便利です。また、高齢者の様子(寝ているとか、転倒していないとか)が確認しやすいです。
高齢者も、家族の団らんをそばに感じることができて、疎外感を覚えることがありません。

気温、湿度、風通し
居間やトイレが近い部屋でも、気温・湿度・風通しなどが快適でない場所は不向きです。とくに、ベッド生活が長くなると、臭いがこもったり、不衛生になりがちです。
高齢者が少しでも健康的に過ごせるように、気温・湿度・風通しに気をつけましょう。

介護を受ける人が気持ちよくすごせる部屋
介護を受ける人が気持ちよくすごせる
部屋作りも大切です

部屋の調度
介護を受ける高齢者は、寝室で過ごす時間が増えると、気持ちが暗くなったり生活が消極的になったりします。たまには、季節の花を飾ったり、祭事や行事に関係する簡単な装飾を置いたりして、四季の変化を感じられるようにしましょう。
本格的な飾り付けでなくても、折り紙のひな人形や鯉のぼりとか、簡易的な風鈴とか、小さなサンタクロース人形とか、ささやかな物でいいのです。「ここに飾りますね」と置きながら季節の会話をすれば、お互いに新鮮な気持ちになれます(もしも高齢者が認知症などで装飾に興味を示さなくても、介護する自分の楽しみだと思って飾ればいいのです)。

明るさ
ベッドで過ごすことの多い高齢者の場合は、昼でもまぶしすぎないように配慮します。直射日光が枕元に当たらないように、窓とベッドの位置に気をつけてあげましょう。
逆に、いつでも暗いままだと高齢者のアクティビティが上がらず、身体の活動も鈍くなってしまいます。カーテンや障子越しの光が部屋に入るようにして、部屋にいる時間が長くても昼と夜の変化を感じられるようにしましょう。

枕元
ベッドでも布団でも、枕元がゴチャゴチャしていると不衛生で健やかに過ごせません。ティッシュなど手の届く範囲にほしい物は、サイドテーブルに置くとか、箱やお盆にまとめて乗せて整理しましょう。
介護される人によってだんだん必要な物も決まってくるので、それがバラバラにならないように間仕切りケースなどで整理して入れておくと便利で衛生的です。

(文:原 智子)

>>次ページ 「介護のコツ ④高齢者が生活する部屋づくり(環境を整える)」

ページの先頭へ戻る