認知症の程度は一般的にどのように表現されるのでしょうか。
本人は80代後半女性です。
サ高住に入居し、スタッフのサポートを受けながら一人で暮らしています。
必要があり、かかりつけ医に紹介状を書いてもらったところ、備考欄に
『認知症がひどく本人への問診は不可能』
とありました。
毎日ではありませんが、日記をつける習慣もあります。
声掛けで自力での入浴もできています。
新しい習慣も繰り返しの誘導で覚えることもできています。
認知症ではないとまではいいませんが、
『ひどい』と言われると家族としては、少なからずショックを受けます。
また、『ひどい』『ひどくない』というカテゴリーは医療レベルでは正しくないのでは?と思っております。
通常医療機関では認知症の程度をどのように表現しているのでしょうか。
ご教示いただきたく、お願い申し上げます。
サマンサさん
<ケアマネージャー>
回答日時:2013/12/02 11:48
ご説明させていただきますと、「認知症の程度」は、「認知症の老人の日常生活自立度」というランク分けを使います。
介護保険の要介護度を判断するために必要な主治医意見書や、医療機関と老人施設との情報交換でも、日常的にこのランク分けは使われております。
具体的には、以下のようにランク分けされます。
正常
Ⅰ 何らかの痴呆を有するが日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している
Ⅱ 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる
a 家庭外で上記Ⅱの状態が見られる
b 家庭内で上記Ⅱの状態が見られる
Ⅲ 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが時々見られ、介助を必要とする
a 日中を中心として上記Ⅲの状態が見られる
b 夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる
Ⅳ 日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、介助を必要とする
M 著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする
認知症の方の状態は、その日によって変わられたり、日内変動が激しい方もいらっしゃいます。
医師が一度診察しただけでは、なかなか分かりづらいこともあります。
中には、表面上の受け答えを取り繕うことは大変しっかりしていますが、踏み込んだ質問に対しては、全く答えられないという方もいらっしゃいます。
以上のように、認知症の方のランク分けをするのは難しいこともありますが、「正常~M」のランクで区分けいたします。
また、上記の区分けの他に、診断書や主治医意見書などでは、医師が独自の表現をされることもあります。
残念ながら、対象の方やご家族の方に、失礼な表現であったり、心ない記述をされることもあるようです。
今回の医師が書かれた「ひどい」・「ひどくない」というカテゴリーは、医療レベルとして、相応しくないと私も思います。
せめて「強い」・「弱い」くらいの表現の方が良かったのではと思います。
あってはならないことではありますが、長いこと医療・福祉の現場で働いていると、傲慢になったり、驕りが出て、心ない言葉づかいや失礼な表現をしてしまうこともあるかもしれません。
医療・福祉の現場で働く者の代表として、お詫びいたしたいと存じますし、そういった失礼な言葉や態度がなくなりますように、一層の努力をしていきたいと存じます。
サマンサさん
ケアマネージャー
都内老人介護保健施設で働くケアマネージャー、
趣味はスポーツと酒を呑むこと。
サマンサさん
回答ありがとうございます。
画像診断も含め一度専門医に診断をお願いしてみます。
よくわかりました。
一度専門医にも診察していただこうと思います。
コメント日時:2013/12/04 10:55
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