オススメの介護施設を紹介!介護施設訪問

第1回 ~岡山県笠岡市~ 社会福祉法人 新生寿会
「きのこ老人保健施設」

関連カテゴリー

認知症

ユニット・ケア

介護体制は2対1。スタッフは看護師も介護士も私服にエプロン

フロア中央のオープンスペース
フロア中央のオープンスペースは
元ナースステーション

きのこ老人保健施設は、ショートステイ3床を含めて定員80名。4階建ての建物は1階が事務所とレストラン、2~3階が住居スペースという構造で10人単位のユニットが計8カ所。そして各ユニットを取り囲むように1~4名の居室が設けられています。

エレベーターで住居スペースに上がると、天然木材をあしらった温かみのある空間が広がります。各フロアは、中央にロビーのような共有空間を挟んで、ちょうど左右に大きな長屋が2軒ずつ並ぶようなイメージです。

大きな丸テーブルを備えた中央のスペースは、最初ナースステーションとしてつくられましたが、スタッフ専用の空間など要らないということから、今では家族が訪れた際に談話室として使うなどオープンスペースに変わりました。
介護体制は利用者2人に対して介護者1人。1ユニット10人に対して、5人の介護職員が付く勘定です。現在、利用者の平均年齢は85歳で要介護度は4,2。この数字は年々上がっておりターミナルケアにも対応しています。

老健なので医師や看護師などによる医療処置が行われますが、医療スタッフも介護スタッフも全員が私服にエプロン姿なので、傍目にはこの人は何の仕事をしている人なのか分かりません。
「ここは基本的に生活の場ですから。利用者さんにとってはスタッフの役割よりも、顔なじみのスタッフがいるかどうかが大事なことなんです。
私服だからといって混乱されることはありません」(篠崎人理施設長)

子連れ出勤もOK。利用者と介護スタッフが地続きの位置に

自分の居場所
穏やかな表情の利用者さん。ここには利用者も
スタッフも「自分の居場所」があります

各ユニットの入口は、のれんや格子戸で仕切られていますが、格子戸にも施錠はなく、出入り自由です。中にお邪魔するとリビングルームで食卓に座ってテレビを見る人あり、ソファでくつろぐ人あり。横のキッチンでは、そんな利用者さんと会話しながら昼食後の食器を洗うスタッフの姿が…。また、畳の間では、布団を敷いてお昼寝をしている利用者さんの脇でスタッフが洗濯ものをたたんでいます。

「今日は子どもたちが来ていませんが、うちはスタッフが小さなお子さんやペットを連れての出勤もOKなんですよ。とくにお年寄りと幼児の相性は抜群です。お母さんが働いていても、利用者さんを含めて沢山の目が子どもに注がれているので保育には困りません。入浴を頑なに拒否していた利用者さんのところに、家族さんがお孫さんを連れてこられたのでお孫さんと一緒にお風呂入ってもらうことを勧めたら、すんなりOK。こんなケースもありました」と篠崎施設長。

なるほど、エントランスにあった子ども用スリッパには、こんな用途があったのです。
周囲を見回せば、開設当時に備え付けた家具に混じってスタッフの家から持ってきた食器棚が並んでいたり、利用者さんが持ち込んだピアノや調度品が飾られていたり。さり気なく置かれたオシャレな北欧の木製の椅子は、最近施設側で新調したものです。

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